情熱家 雄真  『  一筆啓上。  』
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“ ぼくとコのロとオフクロ ” (2008/08/19)
《 動物はにんげんのキモチがわかる。 》

そんな話を耳にしたことがありますが。


あれは、ぼくがまだたしか小学校の高学年ぐらいの出来事です。


わが家では“ コロ ”というなまえをもったスピッツという

犬種の白いしろい犬と暮らしてました。


小学校の低学年のころからわが家に家族入りした犬です。

ぼくとコロはたいへん仲のいい友達でした


わが家に庭に親父だったか憶えてませんが青色のコロの家を

天気のいい日に日曜大工で作ってくれました。

少年のぼくながらも何かしら手伝いたくて

新築のコロの家の玄関の上に

まっ黒いスプレーのペンキで自信満々で書いた文字が

【 コのロの家 】

どうだ!とばかりに書き終え振り返ると家族の笑い顔でしたが

何故に笑われるのか!?そんなことすら夜にコロのご飯をあげるまで

気付かないシアワセな少年を囲む明るい家族でした。


それから学年がふたつぐらい進んだ頃

ぼくとコロの身体は大きくは、なりましたが

突然の嵐かのように止まない大雨のように

わが家は両親の離婚・自営の倒産。

そして家庭を守るためにオフクロはわが家から10キロぐらい離れた

小さくて古いスナックで深夜まで働くようになり

当然帰り道はバスとかの公共機関などあるはずもない深い夜に

タクシー代を浮かすために人通りも車の時々しか通らない

外灯もほとんど無い暗い山道をトボトボと働き疲れ呑み疲れの

身体をひきづるように歩いてわが家まで帰ってきてました。

不似合いな厚化粧で夜の始まりに出て行くオフクロの後ろ姿が

たまらなく淋しくて虚しくて悔しくて僕にはキライでした。

ろれつが回らなくなって強烈な酒の臭いで帰ってくる夜

酔った客に殴られて顔を腫らして帰ってくる夜。


そんな日々の中

いつしかキライな夜の始まりをあえて避けて

コロの散歩をその暗い時間にしていました。

鏡台を前に化粧をはじめるオフクロの後ろ姿を

脇目に見ながら何も言わずにぼくはそそくさと

コロの散歩に出かける。

嫌な習慣になってました。


貧しくなったわが家では僕らの食卓を飾るものも

どんどんシンプルに数も少なくなり当然ながら

コロのごはんもご飯に味噌汁をかけただけのものでした。

学校の同じクラスに欠席者がいると

『 俺、牛乳好きやからもらうよ! 』と我さきに

休みに人の分の給食の牛乳を取り

『 放課後飲むよ。 』と言いながらも

誰にも ばれないようにカバンにしまいこみ

“ 帰ったらコロにあげようと! ”

そしてその牛乳の入ったカバンをさげている日は

紙パックだから匂うはずもないのに

ぼくの姿が見える前の角から鳴き声をあげるコロでした。

そんなコロがとてもぼくは愛しかった。

ある日、家計を助けたくて新聞配達に働かせてくれと

行ってはみたけど『 小学生は無理だよ! 』と冷たい返事をもらい。

何も手伝えない自分の不甲斐なさを毎日感じて

その想いがいちばん強くなるその夜の始まりを

まっすぐ見つめることができなくて自分を

惨めさを誤魔化すためのコロとの散歩といつしかなっていました。

それなのに散歩に出るとぼくの気持ちとは正反対に

白いシッポを千切れんばかりに振って喜ぶコロでした。

ある日、また顔を腫らして帰ってきたオフクロが顔のアザを

隠すかのようにいつもより濃い化粧をはじめたその夜

誰もいない公園のブランコに座り しばらく薄暗い外灯を眺め

哀しさ惨めさ虚しさに囲まれながら

両の手のひらでコロの顔を包むようにしてコロに話掛けました。



『 コロ!ぼくが寝ている間はオフクロを守ってくれよ!

  コロ!暗い道をオフクロは歩いて帰ってくるんだ、

  コロ、頼むんだよ!                  』


って強く願うようにコロに話しかけました。


翌日オフクロと顔を合わせるとオフクロにぼくは怒られました。


『 昨日は帰り道を歩いているとコロが走ってきたのよ!

  しっかりクサリをつながないとダメでしょう。       』


しかしながら散歩の終わりにしっかりとクサリはつなぎました。


そう、コロがオフクロを守りに行ったのです。


それからも何度かそういったことがそれからもありました。


その度に夜の公園でコロに


“ ありがとう!コロ!”って話かけてました。


そんなコロもそんな時期から数年後に

老衰で死にました。


もう今日が峠かも知れないと動物病院の先生に

言われた翌日に午前中までは目を開けていたものの

午後からは目を開けることもなく呼吸も小さくなり

そんな状況の中、理由は憶えてませんが

よりによって家族の中でいちばん最後に

コロの元に駆けつけたぼくに

オフクロが声をかけてあげなさい。と静にぼくに言いました。


あの夜のように

両の手のひらでコロの顔を包むようにしてコロに話掛けました。

『 コロ!がんばれ!』

とぼくが言うと

コロは目を開け、首を起こして立ち上がろうとしました。

そしてコロの白い体を撫ぜあげている中で

静に息をしなくなりました。


コロに逢いたいなぁ・・・。



このコロとの日々以来動物を見ると

話しかけたりします。動物でもキモチは通じるものですねぇ・・。


そう僕はいまだに信じています。
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